【コトバ】ランチェスター戦略

ユーザインターフェースとは直接関係ないですが、起業→失敗を経験された方の記事で「ランチェスター戦略をきちんと実践すべきだった」と書かれていて「?」だったので調べた言葉。

 

参考記事:ランチェスター戦略とは

 

競争に勝つための法則。強者は強者なりの、弱者は弱者なりの戦い方があって、きちんとした戦略の上で戦いなさいよ、というそんな感じの内容。もともとは第一次世界大戦のころに生み出された考え方らしいです。

私的ポイントその1:1位=強者、残りは全て弱者

国会議員の流行語が思い出されますね。「2位じゃだめなんですか?」。ランチェスター戦略では、どんなに1位と2位が実力的に肉薄していたとしても1位だけを強者として考えるそうです。追う者と追われる者は根本的に戦い方が違うということですね。自分より上がいるのに「いや、うちもまぁまぁ大手だし」と強者の戦略を取ると失敗するよという、なるほどと思わされた考え方です。

私的ポイントその2:強者の戦法は誘導、弱者の戦法は陽動

これ、私の中では完全に混同してました。改めて言葉の意味を調べたところ、誘導は「目的の場所に敵を誘い込むこと」で、陽動は「目標の規模まで戦力が縮小するよう敵を動かすこと」らしいです。どちらも似たようなプロセス(おとりを使うとかわざと挑発するとか)を取りますが目的がまったく違うんですね。

特に弱者の戦法に言えることは「勝てるところで確実に勝つ」ということで、各個撃破しつつ勝ちを積み上げていくことが大切ということらしいです。

少し話しがズレるかもしれませんが、私は立場上営業をすることも受けることもあります。品質や価格等全ての面で勝負して負けると印象が薄くて次につながりにくく、負けたけどどこか1点突き抜けていた箇所があると、その印象が残って次の機会につながることがあるというのを経験上感じています。こういう「どこでもいいから1つ勝てる要素を持っている」ということが、弱者の戦略として重要なんじゃないかと思います。

私的ポイントその3:強者か弱者かは市場単位で考える

あたりまえなんですけど見逃しやすいというか。ここで言う「市場」とは「商品、流通、顧客、地域」を指し、各市場で自分が強者か弱者かを認識し、それぞれにあった戦略を実践すべきという話です。

絶対的な強者というのは、なかなかいないものです。あのiPhoneですら、全てにおいてNo.1とはいきません。現に、一部の途上国でのシェアはAndroidに大きく負けています。これは主に価格の問題が大きいらしいですが、Appleはここに対してきちんと「低価格版のiPhoneを投入する(=価格で競合と並ぶことで、ブランドや対応アプリ数等で勝負できる環境を作る)」という弱者の戦略を取っています(あまり成功していないようですが・・・)。

 

他にもマーケットシェア理論とか射程距離理論等、ランチェスター戦略には非常に有用な考え方が詰まっています。マーケティングや事業戦略等に関わることがある方はぜひ知っておいたほうがいいと思います。